魅力的でにぎやかな港まちに集う

イベントレポート

みなと A GO GO! 08

ダンサー 山下残 猫窓にてふたたびー『屋台の身体』&『みなと滞在』を上演するー
 

  山下残ふたたび



 アッセンブリッジ・ナゴヤ2019での滞在制作と新作『屋合』の上演がきっかけで、港まちとご縁が生まれた山下残さん。以来、このみなとA GOGO!に毎年ご出演していただいています。会場は、港まちにある「のみもの、たべもの、おんがく」のお店『猫と窓ガラス』。店主のヒロタさんは、毎回の企画に合わせて、山下さんと共に空間から演出などにも加わって、舞台を一緒につくりあげてくれます。今年のタイトルは、「振付・ダンサー 山下残 猫窓にてふたたびー『屋合の身体』&『みなと滞在』を上演するー」と題し、山下さんが港まちにご縁が生まれるきっかけとなった創作舞台の「屋合」にて披露した実験的な身体表現を猫窓店内バージョンにリメイクしたものと、もう一つは、以前に横浜に滞在しながら書いた戯曲を名古屋の港まちバージョンにこちらもリメイクしたものをご披露いただきました。連続的な2部構成となった今回の舞台の後半「屋合の身体」には、港まちの古老アーティスト犬飼モンクさんも加わって、より一層不可思議で独創的な舞台となりました。





  いつかどこかの街で



 今回の二つの構成は、つくり込みと即興の二つが組み合わさっていました。30分ずっと話しつづけるダンス「みなと滞在記」は、山下さんが書かれた30分間の長台詞を全て暗記して身体と共に表現するものです。山下さんの身体の動きをそのまま言葉にしたような台詞は、身体の動きの強弱や早遅に合わせて見事に変化します。こちらの聞く耳が追いつかないような、まるで即興のような台詞が事前に存在していることに新鮮な驚きを感じました。そこには、膨大な仕込みの時間が隠れているのは言うまでもありません。もう一つの「屋合の身体」は、山下さんのダンスレパートリーの中でも、かなり実験的な部類に入る身体表現だそうです。山下さん曰く、それだけお金をいただけるような舞台はまだ今の自分にはつくれないのだそうです。にもかかわらず、それが挑戦できたのは、その実験性を歓迎し、むしろ一緒に楽しもうとしれくれるこの港まちの人々の寛容性があるからでしょう。当日の舞台を終えた山下さんは、「いつかどこかの街にある猫窓のような店内の一角でダンスを踊って生涯を終えることができたら素敵だろうと感じました」という感想を語ってくださいました。

 



開催概要

△: 魅力的でにぎやか港まちに集う (1)地域の特色を活かしたにぎわいづくり
みなとA GO GO! 08 
ダンサー山下残 猫窓にてふたたびー『屋台の身体』&『みなと滞在』を上演するー

日 時|2/27(日)16:00 - 18:00 (16:00開場・16:30開演)
集 合|猫と窓ガラス
ホスト|山下残
定 員|15名
参加費|1500円(飲み物等は別途)
協 力|アッセンブリッジ・ナゴヤ実行委員会
 

  WEBページ
08「ダンサー山下残」猫窓にてふたたびー『屋台の身体』&『みなと滞在』を上演する